自分

ゆっきゅんオフィシャルブログだよ

1人で自分をやること①

 

 

BOYFRIENDというZINE、解説とかなくかわいいかっこいいとかで楽しんでもらいたかったのであんまり言ってこなかったんですが、やっぱり言っとく。と、それ以降いまの自分について。

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どっちも表紙でどっちもBOY、半分ずつ違う衣装を身に纏ったゆっきゅんが同じデートコースをゆく。表紙が朝で真ん中は夜。ゆっきゅんとデートしているようにも見えるけど、真ん中のページ、夜の観覧車で向き合っているのはゆっきゅんとゆっきゅんで、結局自分と向き合っているだけといういつものオチだね。

 

年末に発表した「夢じゃない」では当時の自分自身の感情や欲望と向き合って、男子高校生の格好をするのも、振袖やウェディングドレスを着るのだって、全てが自分で、僕には夢なんかじゃないということを宣言した。自分のために超必要な作業で、色んな自分に出会えて新しい場所に行けたなと思った。

 

そのあと、夢じゃないを見ていて、戦意むきだしの目が怖いなと思って今度は距離感の近い朗らかなZINEをつくろうと思って作ったのがBOYFRIEND。

 

距離感が近いといえば恋人でしょう、デートなんてしないけどそういうことに挑戦しようと思った。メンノン男子大学生ゆっきゅん(普段のゆっきゅんとは遠い)とかわいい服を着た男の子ゆっきゅん。二人の関係性と個人の設定はゆっくり時間をかけて考えた。2月は坂口健太郎さんに心酔していたので、1週間でメンズノンノの坂口健太郎さん表紙号を集めるなどの芸当をして、理想の男子大学生の設定としては大学の哲学科でどんな音楽が好きで自意識とかなくて、みたいな。かわいい方のゆっきゅんは楽に考えられたけど、理想の男子大学生、ぼくだって男子大学生なのに、その要素すら他者でしかないことに気付いて心を痛めたりした。大学生の服は持ってないからシャツもパンツも靴も買った。だからコスプレです。マジの自分の虚像をつくりあげてそれに恋しようとしていたそれは病気だと思う。

 

先にそのメンノンボーイの撮影をした。自意識が指先まで行き届いてしまっているぼくはアイスをどうがんばっても可愛く食べてしまうので大変だった。足、ひじの開き方、手、どれも力と意識を抜くのがかっこよさなのか…と学んだ。(少年アヤさんの著書にもこんなことが書いてあった気がする。)イケメンに関する知識が尋常ではないフォトグラファー梅谷英恵さんと撮影するのは有意義で楽しかった。別日、かわいい方も難なくたのしく撮影した。出来上がった写真を見て、男子大学生になれたなと思った。

 

夢じゃないを作ったあとに気づいたのは、ウェディングドレスやロリータを着てる写真は自分自身の意志が強く写真に現れているということと、男子高校生と美少年の写真は擬態でしかないということだった。自分はそれにもなれるけど、それはなりたい自分であって、自分の中にあるものではなかった。BOYFRIENDでも同じで、男子大学生の自分は自分だけど、自分から出てきたものではなかった。

 

ぼくは前からポップアイコンになりたいと公言していて、なんだそれはと思っている人もいるかもしれない。僕は既成の社会的性別から見ればいびつで、見づらいだろうしわからないだろうし、困惑する人もたくさんいるのは知っている。誤解されるし変な質問をされるからジェンダーがどうのということを発言することもあるけど、それは必要に迫られてしているだけという感じで、僕の仕事は社会活動じゃない。「男性なのに○○」みたいな切り口を、ポップに可愛く美しく気高く超えていきたい。そのためには「ゆっきゅん」というある程度定まったイメージが必要なのに、いまのゆっきゅんはバラバラに拡散してしまっているということに、ようやく気付いた。セーラー服を着ていたころ(そんな時代がありました)はわかりやすかったなーとも思った。

 

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明日(たぶん)につづく。